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未来のための電磁波シールドメッキ技術「JAPANブランド育成支援事業」

未来のための電磁波シールドメッキ技術「JAPANブランド育成支援事業」

このたび「JAPANブランド育成支援事業」から、特設ページに電磁波シールド技術に関する吉野電化工業の取組について紹介します。是非、ご一読頂ければと思います。

電磁波妨害対策で未然に防ぐ

自律走行車や飛行機などを電磁波から守るには、電磁波妨害対策を施さなければなりません。いわゆる「EMC(Electro-Magnetic Compatibility)対策」です。EMC対策には2種類あります。1つは電子機器から放射される電磁波の強度を低く抑える「EMI(Electro-Magnetic Interference)対策、エミッション対策」。もう1つは、強い電磁波を受けても誤動作を起こさないようする「EMS(Electro-Magnetic Susceptibility)対策、イミュニティ対策」です。

EMC対策において最も効果的なのは、「元から断つ」方法です。電子機器の設計初期段階において、電磁波の発生源や、誤動作を起こす危険性がある箇所をつぶしておくわけです。こうすれば、多くのコストや時間を掛けることなく、電磁波妨害の被害を未然に防げます。しかしEMC対策はそんなに簡単ではありません。電磁波は目に見えないだけに、設計の初期段階で完ぺきに対処することは非常に困難です。このため「電子機器を試作して測定したところ、十分なEMC対策が施されていないことが判明した」という事態が後を絶ちません。

そこで電子機器メーカーでは、試作後に対処療法的なEMC対策を打つのが一般的です。例えば、プリント基板にフィルターなどのEMI対策部品を搭載したり、ケーブルにフェライトコアをかぶせたり、筐体に金属メッキを施したり、ノイズ吸収シートを半導体チップの上に貼ったり、金属を混ぜた接着剤をプリント基板に塗布したりするわけです。

さまざまな電磁波シールドメッキ技術を用意

吉野電化工業では、自動車や飛行機だけでなく、民生機器や産業機器、医療機器などに向けたさまざまな電磁波シールドメッキ技術を用意しています。

ここでは2つの技術を紹介します。1つは、プラスチック材料への電磁波シールドメッキ技術です。プラスチック材料にはそもそも、電磁波シールド効果がありません。電磁波シールド効果を持たせるには、無電解メッキで筐体に金属膜を成膜する必要があります。しかし、プラスチック材料はその種類によってはメッキが難しいものが存在します。いわゆる「難メッキ材料」です。

吉野電化工業ではすでに、PBTやPPSに銅とニッケルを無電解メッキし、その電磁波シールド効果を確認する実験を行っています。その結果、例えばPBTの両面に無電解メッキ(銅とニッケルをそれぞれ2μm)を施すことで高い電磁波シールド効果を得られることを確認済みです。

もう1つの技術は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)への電磁波シールドメッキ技術です。CFRPは、飛行機やロケット、産業機器などで採用されている材料です。当社はCFRPの製造に使う中間材料であるプリプレグに無電解メッキを直接施すことで、密着性の高いメッキ膜の形成が可能になりました。CFRPにメッキ膜を作り込むことで、高い電磁波シールド効果が得られることを確認済みです。

まずはご相談ください

電磁波シールドメッキ技術は、電磁波に対するシールド効果だけで実現手法を決めることはできません。放熱性やコストといった観点からの評価も必要だからです。

例えば、電子機器の筐体全体にメッキを施してしまえば、放熱効果が低下してしまいます。この結果、内部で発生した熱を外部に放散できず、最大動作温度を超えてしまうかもしれません。その場合は、必要とする電磁波シールド効果を把握した上で、メッキを形成する箇所や膜厚を最適化する必要があります。言い換えれば、お客様が設計中のアプリケーションに合わせて、電磁波シールドメッキ技術を最適化する必要があるわけです。

EMC対策でお困りの際は、まずはご相談ください。お客様が抱えている課題を解決するために最適な電磁波シールドメッキ技術をご提案させていただきます。

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